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近年では、平屋住宅が多くの家庭から人気を集めています。しかし、平屋住宅と二階建て住宅では建築費用に差があるため、正しく把握しておかないと資金不足になってしまうかもしれません。そこで本記事では、新築平屋の費用相場と、少しでも費用を抑えるコツをまとめて紹介します。ぜひ参考にしてください。

新築平屋の費用相場

新築で平屋住宅を建てる際の費用相場について、坪単価はおおよそ60万円〜80万円が目安とされています。建築費用は「坪単価 × 広さ（坪数）」で算出されます。

たとえば、20坪では1,200万円〜1,600万円、30坪では1,800万円〜2,400万円、40坪では2,400万円〜3,200万円程度が相場です。ただし、これらはあくまで建物本体の費用であり、土地代や設備のグレードによって最終的な費用は大きく変動するため、予算に応じた計画が重要です。

一方、建売住宅の費用に関しては、2023年度のフラット35利用者調査によると、全国平均の購入価格は約3,603万円、平均住宅面積は101.6㎡（約31坪）で、坪単価に換算すると約116万円となります。つまり、建売住宅には土地代も含まれており、同じ広さで比較した場合の価格は、建築費のみの平屋より高く見える可能性があります。

また、平屋と2階建て住宅を比較すると、同じ居住面積を確保する場合でも平屋の方がコストがかかるケースが多いとされています。その理由は、必要な土地面積の広さにあります。

たとえば、40坪の居住空間を確保するには、2階建てなら各階20坪で済みますが、平屋では40坪すべてを1階に展開する必要があり、それだけ広い土地を取得しなければなりません。都市部など地価の高い地域では、土地代の差がコスト面で大きな差として表れます。

さらに、建築面積が広くなることで、基礎工事の範囲も広がり、その分費用が上昇します。建築後の維持費にも違いがあり、とくに固定資産税は土地の広さによって課税額が変わるため、広い土地を必要とする平屋は税負担も大きくなりやすいです。

新築平屋の価格は何で決まる？

新築で平屋住宅を建てる場合、2階建て住宅に比べて価格が高くなる傾向がありますが、その理由はいくつかの要素に起因しています。

土地の広さ

まず大きな要素のひとつが「土地の広さ」です。平屋住宅はすべての生活空間を1階部分に集約する必要があるため、同じ居住面積を確保するには2階建てよりも広い土地が求められます。

たとえば30坪の建物面積を建てるには、建ぺい率60%の地域であれば最低50坪程度の土地が必要になります。さらに庭や駐車スペース、アプローチなどの外構を考慮すると、実際に必要となる土地面積はさらに広がることが一般的です。

特に都市部や人気エリアでは、土地の単価が高いため、その分全体のコストが大きくなりやすい傾向があります。

建物の形状・外壁

次に、建物自体の「形状や外壁」も費用に影響を与える重要な要素です。基本的には、シンプルな形状（例：正方形・長方形）のほうがコストを抑えやすいです。

一方、L字型やコの字型などの複雑な設計は、構造上の施工手間が増え、建築資材も多く必要となるため、費用が高くなります。加えて、平屋は2階建てに比べて基礎や屋根の面積が大きくなるため、必然的にそれらの施工コストも増加するのです。

とくに、高断熱の屋根材や高耐久の外壁材を選択すれば、それに比例して費用も上がることになります。

間取り・住宅設備

さらに「間取りや住宅設備」も建築費に大きく影響します。効率的な動線設計や凹凸の少ないレイアウトを採用することで、工事の効率が上がり、無駄な費用を抑えることが可能です。

一方で、グレードの高いシステムキッチンや広いバスルーム、最新の空調設備などを導入すると、その分コストは大幅に増加します。

新築平屋を建てる費用を抑えるコツ

新築で平屋住宅を建てる際、建築費用をできるだけ抑えるためには、いくつかの工夫と判断が必要です。

家の形状・外観をシンプルにする

まず重要なのは「家の形状や外観をシンプルにすること」です。複雑な外観や屋根形状は見た目のデザイン性を高める一方で、施工の手間や必要な建材が増えることから、費用が高騰しやすくなります。

直線的で凹凸の少ない外観に抑えることで、無駄なコストを削減することが可能です。

シンプルな間取りにする

次に「シンプルな間取りの採用」も有効な手段です。壁や廊下を最小限にとどめた設計、例えばLDKを一体化させたオープンな間取りにすることで、建材や施工工数を減らし、コストの削減に繋がります。

部屋数を抑え、広くて明るい空間を確保することで、コストと快適性を両立できます。

必要な住宅設備を厳選する

また、住宅設備についても「必要性を見極めること」が大切です。高機能な最新設備は魅力的ですが、価格も高く、数十年後には交換が必要になるケースもあります。

そのため、初期段階では標準的な設備を選び、必要に応じて後からグレードアップするという方法も検討すべきです。さらに外壁材や内装材のグレードを用途別に使い分けることで、費用にメリハリを持たせることができます。

優先順位を明確にする

「優先順位を明確にすること」も欠かせません。広さを重視するのか、設備のグレードを重視するのかを事前に整理し、予算内でどのような住まいが理想かを明確にすることで、過度な出費を防ぎ、満足度の高い住まいづくりが可能になります。

補助金・減税制度の活用

さらに、見落としがちなのが「補助金や減税制度の活用」です。たとえば、ZEH支援事業では省エネ性能を満たすことで最大55万円の補助金が受け取れます。

他にも地域や住宅性能に応じた補助制度が多く存在し、制度の内容を事前に把握することで、実質的な負担を軽減できます。ただし、これらの制度には適用条件や申請期限があるため、早期の情報収集と専門家への相談が重要です。

まとめ

新築で平屋住宅を検討する際、費用の目安や出費を抑える工夫を事前に把握しておくことはとても重要です。本記事では、平屋の坪単価や建売住宅との比較、2階建てとの違いをていねいに解説しながら、費用が高くなる原因やコスト削減の具体的な方法をわかりやすく紹介しました。土地の選び方や間取りの工夫、設備の選定、さらには補助金・減税制度の活用まで、現実的な方法がいくつかあるので、ぜひ参考にしてください。